<行政視察報告>長野県木曽町 = 公共交通システムについて=
タイトル<行政視察報告>長野県木曽町 = 公共交通システムについて=
地区大府市
発行大府かわら版
No.1019
2010年11月28日
日本共産党大府市議団
資料 その1
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内容

<行政視察報告>長野県木曽町 = 公共交通システムについて=

 

11月9日(火)・10日(水)、日本共産党大府市議団は、三市協議会(大府・東海・知多市議団で構成)で、行政視察を行いました。今号は、長野県木曽町の「公共交通システムの取り組みについて」報告いたします。

 

高齢化、土地の高低差で移動が困難

 

長野県木曽町は、 人口1万3千人。平成17年11月に4町村が合併し木曽町がスタートした。山あいに集落が点在し、幹線道路から離れ、公共交通を利用しづらい地区も多い。また、高齢化が進み、外出に不自由しているお年寄りが多い上、地域内の高低差が大きく、徒歩や自転車での移動が困難な現状だった。

 

高校生、バスの定期年間30万円!?

 

旧町村単位で様々な施策を実施していた為、複雑な上に非効率的だった。また、地域によっては片道運賃が最大1,560円、高校生のバスの定期が年間30万円になっていた。

 

「生活交通の確保が課題」と、最重要事項に位置づけ

 

そのため木曽町では合併に際し、地域住民の生活交通の確保が課題であるととらえ、協定項目の最重要事項に位置付けた。また、早い段階から「住民の足専門部会」を設置し、調査・検討を行ってきた。

 

公共交通は地域のインフラ

 

公共交通は医療、教育、商業など、他分野と結びつくことで町全体が機能する地域のインフラであり、公共交通単独での収支検討はなじまない。公共交通の運行は行政の使命であり、相応の税金を投じてでも、必要なサービス水準の確保に努めていくという考え方。事業主体については、町の自由度の高い路線、運賃、ダイヤなどを実現するため、従前の民間の路線バス事業を町営バスへ切り替えを行い、観光対応、地域間バランスなどにも配慮してきた。

 

アンケートや懇談会で実態の把握

 

平成17年に高校生以上の全町民を対象にアンケート調査を実施、回収率76%と住民の関心の高さがうかがえる。交通不便者の移動目的は60%が通院・通学・買い物に特化する結果となった。平成17年度、21年度に行った住民アンケートはいずれも70%を超える回収率となり、住民懇談会や公共交通のシンポジウムを行うことで、住民の実態把握や啓発を行ってきた。

 

木曽町は公共交通整備を収益事業としてではなく、一つのライフラインと捉え、社会基盤整備として進めてきている。また、公共交通がチグハグだと、他分野をいくら整備しても不十分といった考え方が根本にある。大府市も木曽町と同じ考えにたち、実態を把握するためにもアンケートや懇談会を開催し、住民と共に、さらに利用促進と改善に努めていく必要があると考える。

 

「総合的な交通権保障の法制化を!」

 

住民の生活に最終的に責任を負い、移動手段を確保し、住民の足を保障することは基礎自治体としての「義務」、また、逆に住民から見れば「最後の砦」である。これからの地域交通は、まちづくりや福祉、医療、教育など他分野の拠点機能サービスと結びついて初めて役立つ基礎的土台の社会インフラとして整備・充実は急務だと考えている。しかし、その地域(市町村)だけで支えていくことに限界があり、財政支援等を含めた交通基本法の制定「総合的な交通権保障の法制化」が必要ではないかと考えている。