立候補した人たちが盛んにテレビに出ている。司会者やコメンテーターは「もし総裁になったらどんなことがしたいのか」とわざわざ問いかけている。奇妙だ。
まず投げかけるべきは、「で、こんなことになるまで黙っていたようですが、今までどうして黙っていたのですか」に違いない。
「え、何のことですか」と返ってきたら、
「あ、すみません具体的に言ってなかったですね。東京オリンピックを強行したことによって生じた楽観倍アイアスで感染者が激増し、そもそも賄賂疑惑など放置したまま実施した疑惑もそのままです。検察が押収した資料が返却されたのに、河合克行・案里夫妻に提供された1億5千万円がどのように使われたかが検証されていない件です。あとは、森友学園問題の再調査についてです。もちろん桜を見る会も未解決です。そう、日本学術会議任命問題についてもまだまだですよね」と続ければよい。
この先どうしていきたいか、ってどんな立場の人でも言える。今、私は「来年の今頃には世界で5本の指に入る大金もちになっていると思います」と言うことができる。でも、そう言ったら、たちまち、今の自分の状態を観察され、「いや、それは無理でしょう」と言われるはず。
なぜ、政治家に対してそれをしないのだろう。「こういうことをしたいと思います。」と言われたら、「そもそもあなたはそういうことを言える人なのだろうか」というところから問わなければならない。
会社の中で黙っていた人が「社長になりたい」叫んでいる。なぜ黙っていたのか、それを聞いてからだ。
(2021年9月21日 赤旗 たけだ さてつ 記事より抜粋)